小林多津衛
( 1896~2001 )
池田三四郎氏(左)と多津衛先生が対談した後の懇親。手前後ろ姿は福本稔氏。
(1997.5.11) 多津衛民芸館にて。
池田氏は松本民芸家具創始者、福本氏は日本民芸館理事。
明治44(1911)年
臼田町の教員養成所に入学。
尋常小学校代用教員勤務。
大正3(1914)年
18才。長野県師範学校入学。
(現信州大学教育学部)
柳宗悦著「ウィリアム・ブレーク」に出会い驚嘆。雑誌「白樺」購読。
大正7(1918)年
長野県師範学校卒業。塩尻尋常小学校訓導になる。武者小路実篤の「新しき村」(宮崎県日向)への入村を決意し宮崎へ行くが、悪性の感冒(スペイン風邪)にかかり信州に戻る。22才。
大正8(1919)年
3月 戸倉事件 赤羽王郎ら免職 以後、多津衛は「白樺教師」として、「自己を生かす教育」に取り組む。この頃から「白樺教師」に対する攻撃が激しくなり、多津衛も退職や転勤を迫られることもあった。
大正11(1922)年
高遠尋常小学校で、柳宗悦を招いて講演会開催。民藝について強い影響を受け、猪口を初めて購入し、民藝の品々の蒐集を始める。26才。
大正12(1923)年
英語の勉強を志して東京の小学校に勤務し、国民英学会に通ったが、関東大震災で帰郷。布施尋常小学校に勤務。
昭和2(1927)年
布施尋常小学校長松本晴造長女睦子と結婚。松代尋常小学校訓導となる。
昭和8(1933)年
「二・四事件」 昭和8年2月4日、治安維持法違反という名目で、長野県下の教員などに対する検挙が始まり、白樺の仲間もその中にいた。佐久では、高瀬小の岩田健治校長も検挙され、世間に大きな衝撃を与えた。多津衛はこの頃になると発言しなくなるが、苦渋の時代であった。
昭和16(1941)年
小諸第二国民学校長に就任。
昭和20(1945)年
岩村田国民学校長(後に岩村田小学校長)。49才。
昭和21(1946)年
北佐久教育会長に選ばれる。教育会長就任後、総会に招いた講師にはすべて「平和」をテーマにした講演を依頼した。
昭和24(1949)年
「北佐久郡志」編纂会責任者となり、以後10年かけて「郡志」全4巻刊行。
昭和26(1951)年
教育会有志の寄付金で、柳宗悦に全国の民藝の品々や作家作品の蒐集を依頼。百点余りが届く(現在これらの品々は佐久教育会館にある)。これを学校の教材に使うとともに、佐久民藝展を開催。柳とリーチを招いて講演会を開く(昭和28・1953年)。
昭和28(1953)年
浅間山麓米軍演習地設置反対運動に参加。
昭和32(1957)年
「比田井天来・小琴研究会」を発足させ、責任者となる。61才。
(「天来記念館」建設に尽力。昭和50年、望月町立の記念館として開館)
昭和34(1959)年
協和村公民館長(合併後は望月町公民館協和分館長)。青年団や婦人会の会合で、また公民館報などあらゆる機会に「平和と手仕事」の大切さを訴えた。
昭和42(1967)年
『一九六七年三月六日未明に』を執筆。
昭和42(1967)年
「民芸と世界平和」を執筆。雑誌「新信州」に掲載。
昭和56(1981)年
個人誌「協和通信」発刊。85才
昭和57(1982)年
第36回日本民藝協会全国大会において、「核廃絶・軍縮の声明」の提案説明を行い、採択される。
「『声明』を生かす道」を雑誌「民藝」に掲載。
昭和60・61(1985・6)年
小冊子「赤十字国家の提唱」「民芸はなぜ大切か」刊行。
ロマン・ロラン、シュヴァイツァー、ガンジーを深く尊敬し、絶対平和主義を主張する。
昭和62(1962)年
著書「美と真を求めて」(用美社)を出版。91才。
平成2(1990)年
「再刊協和通信」を発刊。94才
平成7(1995)年
「多津衛民芸館」開館。小林多津衛が館長に就任。99才。
以後、機関誌「平和と手仕事」刊行。
平成8(1996)年
「小林多津衛百才の旅展」開催。
平成13(2001)年
小林多津衛逝去。満104才。
著書「平和と手仕事」出版。
注:「白樺」は、武者小路実篤・志賀直哉・柳宗悦らが主宰していた雑誌。明治43(1910)年から大正12(1923)年まで、14年余にわたって毎月発行されていた。東京に次いで長野県に読者が多く、「白樺」を購読しそれを教育に生かそうとしていた教師は「白樺教師」と言われていた。小林多津衛もその一人。
NPO法人 多津衛民藝館
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